おっちゃんのぷるぷる [◆企画ものシリーズ]
なあ、若いの。
ちょっと、おっちゃんとしゃべってくれよ。
おっちゃんが『よっこいしょ!』って椅子に座るの、気になるか?
・・・やっぱり、そうか。
じゃ、『どっこらせ!』って勢いよく立つのも、気になるか?
・・・そりゃ、そうだよな。
それにはな、ワケがあるんだよ。
おっちゃんな、ふとももに『妖怪』がいるんだぞ。
おっちゃんの足にいる妖怪は『ぷるぷる』だ。
はっはっは、すごいだろ。
『ぷるぷる』はな、おっちゃんのチカラを食いよる。
どんなにがんばってもな、おっちゃん、足にチカラが入らん。
だからおっちゃん、ゆっくり足を曲げられん。
こらえきれんで、ぷるぷるしよる。
だからな、おっちゃん、中腰ができん。
集合写真の2列目は、おっちゃんには獄門だ。
だけど、『ぷるぷる』は、ノロマなヤツだ。
いきなり動くと、ビックリしよる。
だからおっちゃん、ドン!て座る。
だからおっちゃん、ダン!て立つ。
そんなに笑うなよ、若いの。
おまえだって、もうすぐわかる。
『ぷるぷる』はな、誰にでも来よる。
四十近くになったらな。
オトコにも来よる。
オンナにも来よる。
いまのうちに鍛えとけよ、若いの。
『ぷるぷる』が来てからじゃ、どうにもならんからな。
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