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国家防衛の本質はこれだと思うんだ! [◆私見!!]

『てめえ、米軍基地問題の当事者じゃねえからそんなこと言えるんだよ!』
……今日の記事は、そんなおしかりを受けるかもしれません。
それでも、私個人の意見として、言わせてください。

解決の糸口が見えないまま、ズルズルと引きずっている在日米軍再編(基地移転)問題。
一方、最近にわかに話題になってきた改憲問題(『自衛軍』 て呼び方は、なじまないなあ……)。
本質をたぐってみると、根っこはひとつなんだろうな、と思います。

日本って、憲法で戦争ができない国じゃないですか。
国際紛争解決のための武力による威嚇や武力行使の放棄(憲法9条第一項)、戦力と交戦権の放棄(第二項)がその骨子ですね。
自衛隊の解釈上の問題はありますが、ここで解釈問題に持っていくのは議論を混乱させるので、やめましょう。

この国は、少なくとも憲法上では 『他国に殴られても、殴り返すことはもちろん、殴り返す体力を持つことさえも放棄する』 という国なんですね。
ボクシングに例えれば、グローブをつけない……なんてナマやさしいレベルじゃありません。
コブシを振るう体力すら持ちません、というレベルの取り決めです。

この延長線上で考えると、国家防衛に関して、日本が選択できる道は3つ考えられます。

1)主権者たる国民の判断のもと、不戦憲法を改憲し、防衛戦力と防衛のための交戦権を保有する(自分の命は自分で守る)。

2)主権者たる国民の判断のもと、不戦憲法を維持しつつ、戦力を保有する第三国と安全保障条約を締結し、日本の防衛のすべてを託す。この条約を破棄されないよう、批准する国家との関係を常に良好に保つ努力を続ける(『たいこもち』 になる)。

3)主権者たる国民の判断のもと、不戦憲法を維持しつつ、その理念を尊重し、国内外の理不尽な敵対的戦力行使に対して抵抗する手段のいっさいを放棄する(例えば北朝●に攻め込まれても、宣戦布告されると同時に、いさぎよくあきらめる)。

いまのところ日本は2)を選んでいます。

その日本が、安全保障のすべてを条約で頼っているのが米国だ……ということは、ご存知の通り。
不戦憲法をマジメに遵守しようとすると、米国の戦力がない限り、日本は自国を守ることができません。
米国にヘソを曲げられたら、日本は理不尽な他国の武力行使から、自分を守ることすらできないんですね。

『イザとなったら自衛隊があるだろうが!』 という議論も、もちろん出てくるだろうと思います。
しかし、繰り返しになってしまいますが、ここでは 『現在の憲法では、防衛戦力たる組織・機能・それを行使する権利が放棄されている』 ということに注目したいんですね。
話題にしたいのは、グレーな憲法解釈論議前提の現実解探しや、自衛隊の戦力としての有用性ではありません。

……ということで、いまの日本の対米外交の骨子は、米国に見放されないようにする(=米国のたいこもちになる)ために努力することになります。
米軍が要求するのが、たとえ思いやり予算だろうと、基地設備(土地なども含む)の供出だろうと、言うことを聞くのが得策。
米国の機嫌を損ねて条約を破棄されたら、その時点で日本は丸腰になっちゃいますから。

私の大嫌いな中曽●元首相の 『不沈空母』 政策も、こうして考えれば理にかなっているんですね。

つまり、現状の憲法と安保条約を遵守する日本に住んでいる以上、米軍編成に関して、米軍のやりたいように全面協力するのが妥当だろうと思うんです。

じゃあ、この米国従属の状況から脱却するには、主権国家らしくみずからの意見を主張できる国になるには、どうすればいいのか。
言うまでもなく、『安全保障条約がないと国家を防衛できない』 という状態から抜け出すことです。
合憲的に国家防衛戦力を持つために憲法9条を改憲して、『日本は自分で国を守ります』 という防衛機構を物理的にも法的にも整備する(≒自衛隊を明確に国軍化する)、これが解決法のひとつなんですね。

この理屈でいくと、護憲主義を掲げつつ安全保障面で頼りながら米国に意見せよ、という思考は矛盾しているということになります。
安全保障を取るなら米国従属を、自己主張するなら改憲を目指さなければ、この問題は本質的な解決をみることができません。
そして、日本はどちらをとるべきなのか。それは国民が結論を出すべきことなんじゃないかな、と思います。

改憲に必要な手続き=国民投票については、憲法96条に定められています。
少し前から 『国民投票法』 の制定が国会で審議されていますが、いまだに確立されないようです。
この法律が(まともに機能する形で)成立し、国民が憲法9条の改憲に対してYes/Noの答えを出したとき、日本の取るべき方向性が見えてくるのかも知れません。

私見ですが、米軍基地再編について意見するなら、いまの政府の方針に沿い、自衛隊を国軍とする改憲手続きを経るべきだと思います。
護憲を訴えるなら、米軍基地再編に関して最大限の協力を惜しむべきではありません。
これが、憲法論議や米軍基地問題の本質なんじゃないかな、と私は考えます。

ちなみに、昨今の政府(首相)は第二項の改変のみを取り上げているようですが、これでは有事の場合に、現在の自衛隊の存在の可否と同様の問題に衝突する可能性があると考えています。
第一項の条文についても一部改正しなければ、防衛のための戦力行使すら解釈問題に持ち込むことになるでしょう。
他国に対して先に武力を行使することは私自身も絶対反対ですから、『専守防衛』 の姿勢を貫きつつも防衛のための戦力行使を明確な形で宣言するよう、第9条の全体を改変するのが一番いいだろう……と私は考えます。

もちろん、先にあげた3つの選択肢のうち、最後の 『あきらめる』 もひとつの方法ではあります。
これは護憲と自己主張を両立させる(おそらく唯一の)方法ですが、同時に自殺行為に等しい選択になります。
いくらいまの日本人の意識が低いとはいえ、この方法を選択するまでバカじゃないことを、私は祈ります(汗)。


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