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フィクション記事:職場分煙に見る嫌煙者の受難 [◆私見!!]

※このblogは、空想のみで書いたフィクションです。
※文中にある人名・名称などは架空のものです。
※ご理解頂き、笑ってお読み頂ければ幸いです。

職場に分煙が導入されることによって、著者が 『喫煙ミニコミ』 と呼ぶコミュニティが形成され、社会問題になりつつある。
日常業務の情報バランスはもちろん、廃煙設備の必要性から固定資産(設備)まで影響を受けているのだ。
職場に広まりつつある 『新たなギャップ』 は、コントロールできるのか。

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【喫煙ミニコミの実態】

『なぜか知らないけど、私のチームでは、タバコを吸う人ばかりプロジェクトリーダーになるんです。』
杉並区在住の会社員、松下奈美さん(仮名)は言う。
『まるで、部長が意図的に選んでいるみたいです。』

『喫煙所を中心に、情報格差が生まれているのは実感しています。』
と語るのは、渋谷区で勤務する会社員、大園恭介さん(仮名)。
『タバコ部屋を舞台にした、喫煙者同士の情報伝達のスピードは、異常といっていいくらい早いです。』

喫煙者のみで形成されるコミュニティが、嫌煙者に比べて価値の高い情報をいち早く、しかも正確に手にしている現実は確かにあるようだ。
しかも、喫煙者が真っ先に仕事上のチャンスを手にする……ということも、嫌煙者が感じる違和感として浮き彫りになってきている。
しかし、現実にそんなことがありえるのだろうか?

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【喫煙者が結束する心理的背景】

タバコの害、いわゆる 『煙害』 が認知されるようになって、もう20年以上になる。
ある統計では、日本の喫煙人口は、成人の30%まで減少したのだという。
ならば、なぜ喫煙者の数は少数であるのに、サ●ム・フ●イン統治下のイ●クのス●ニ派のように、喫煙ミニコミが職場で勢力を得ているのか。

新宿歌舞伎町に店を構えるホストクラブ 『パッション』 のナンバー1、テルキ氏は言う。
『タバコはオレの商売道具です。お客さまがキライなら、そのときはオレも嫌煙者になります。お客さまがタバコをたしなむなら、オレも一緒にフカします。それだけで、お客さまとの距離はぐっと縮まるんです。』
わかったような、わからないような、つかみ所のない話だが、この客側の心理が、喫煙ミニコミ形成の心理的背景のようだ。

『喫煙者の肩身が狭くなり、喫煙者同士の結束力は固まっています。』
と語るのは、社会派ジャーナリストの車坂信吾氏。
『嫌煙者の声が高まる中で、喫煙者の中には社会への背徳ともいえる罪の意識があり、それを共有することで同族意識が高まるんですね。類は友を呼ぶ、とでも言いましょうか。』

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【喫煙ミニコミの形成過程】

喫煙ミニコミが形成される過程は、非常に単純なものだ。

受動喫煙を始めとする煙害を理由に、嫌煙者が分煙を提唱してきたのは、紛れもない事実である。
この声に喫煙者が迎合する形で、職場には 『喫煙所』 という設備が設置されるようになってきた。
中には全面禁煙の職場もあるが、職場を仕切る役職者が喫煙者である場合、喫煙所の設置率は格段に跳ね上がる。

ここで、喫煙者のコミュニティは 『役職者』 という強い味方を手に入れることになる。
もとより結束力の高い喫煙者の間では、日常的な会話より密度の濃いぶっちゃけトークが展開される。
この背景があって、喫煙者たちは正確な情報をいち早く入手することができるようになるのだ。

しかし、役職者に喫煙者が少なければ、この理論は成立しない。
『中間管理職には、飛びぬけて喫煙者が多いのです。』 と語るのは、前出の車坂氏。
『精神的ストレスが原因にあるのでしょうが、いわゆる役職者の喫煙率は、無視できないくらいの偏りが見受けられます。』

つまり、役職者の喫煙率が高いため、職場内の喫煙所設置率が高まり、結果として多くの喫煙ミニコミが形成されていく……という構図が、現実として起こっているのだ。

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【嫌煙者が喫煙所に通う異常事態】

一方で、このことを敏感に察知して、喫煙所に通い出す嫌煙者まで出てきている。
タバコを吸わない人間が、タバコを吸うためだけに存在する場所に出入りすることの異常さは、説明するまでもあるまい。
これは、喫煙ミニコミが持つ価値を、嫌煙者が欲していることを意味するのだ。

『ケムリはイヤですけど、喫煙所には必ず通うようにしています。』
……と語るのは、広告プロデューサーの佐藤輝幸氏(仮名)。
『喫煙所に行かないと、自分の仕事に支障が出るんですよね……情報も、チャンスも逃してしまうんです。』

喫煙ミニコミが持つ企業内価値が、嫌煙者に均等に配分されない不公平さが、この異常事態の背景事情である。
嫌煙者が煙害を押してでも、取りに行きたいアドバンテージ。
喫煙ミニコミには、それだけのポテンシャルがあるのだ。

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【喫煙ミニコミはコントロール可能か?】

このままでは、嫌煙者は、『タバコをイヤがる』 ことが、仕事のチャンスロスにつながることになる。
加えて、多くの嫌煙者は、喫煙者が喫煙所で喫煙することを 『休息』 と考えているのだ。
このような理不尽さは、誰が考えても解消されるべきだろう。

では、喫煙ミニコミが持つ価値を、喫煙所に通わない形で、嫌煙者に均等配分することはできるのだろうか。
『現実問題として、厳しい課題と考えます。』 前出の車坂氏は、こう語る。
『嫌煙者にとって、喫煙行動自体を理解することができないため、喫煙者の存在自体を否定する場合が多いのです。そのコミュニティが持つ価値を認めてしまうことは、喫煙者の存在を認めるという自己矛盾を受け入れなければならないのです。』

著者の勝手な考えであるが、中間管理職の精神的ストレスを軽減し、喫煙依存度を減らすことが、喫煙ミニコミの価値を平均化させる現実的な手段なのかもしれない。
彼らが喫煙者に対して肩入れすることがなければ、職場全体に情報やチャンスが平均化されるハズだからだ。
これはこれで、また別のテーマになってしまうのだが……。

分煙が進む職場における嫌煙者の受難は、当分続いてしまうのかもしれない。

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※くり返しますが、空想だけで書いたフィクションです(汗)。


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コメント 10

メイ

私の上司は、本当にそういう理由でたばこを吸わない(吸えない)のに、喫煙スペースに良く行きくんです。
by メイ (2005-09-09 22:03) 

みみちゃん

メイさん、nice&コメント、ありがとうございました。
そうでしたかー……。
私自身も、職場でこういうことを感じていたんです。
ですが、リサーチする手段や裏付けする知識がないため、空想の仮説だけで理論武装した形をとって記事にしてみた……というのがホンネなんですね。
『笑って読んで頂ければ』 なんて書いちゃいましたが、身に覚えのある方には、笑えない内容かもしれませんね(汗)。
by みみちゃん (2005-09-09 23:14) 

かの

身に覚えありです。
会社勤めではなかったので、重要な情報に遅れるわけではなかったですが、仕事上の一体感?(女子だらけの作業場なので)みたいなものから阻害される恐れはありましたね・・・。ああ、でも・・「あの仕事回そうか?」みたいなタイミングは逃すかも・・。当時私は喫煙者だったので、聞き漏らしの恐怖は薄かったんですが・・。非喫煙だったら、こわかったかも・・・・。
by かの (2005-09-10 10:18) 

みみちゃん

かのんさん、nice&コメント、ありがとうございました。
ううむ……かのんさんも、一体感という視点から、喫煙者のコミュニティを実感されていたのですか。
職場環境によって、その発現の仕方は様々と思いますが……。
問題としてはメジャーになっていないだけで、実感されている方は多いのかもしれませんね(汗)。
by みみちゃん (2005-09-12 22:59) 

あまちゃん

自分もタバコが吸えないので、喫煙室には入れません。
やはり、喫煙室での話は大切です。
どうしても、机にいると長時間は話すことは無理です。
喫煙室ならば、10分くらいは過ごせますからね。
by あまちゃん (2005-09-13 00:16) 

タバコの匂い大嫌い

こんばんは、ちょっとにた指向の話しをわたしも同じ日にかいてました~

http://blog.so-net.ne.jp/no_smoke/2005-09-08-2

眠いので、寝ます。またこんど~笑
by タバコの匂い大嫌い (2005-09-13 02:22) 

みみちゃん

みなさま、nice & コメント、ありがとうございました。

> あまちゃんさん
あまちゃんさんも 『喫煙ミニコミ』 が共有する価値をお感じになっていましたか。
確かに、喫煙所は少人数で暗黙の団結心を持ってすごせるスペースですから、おっしゃる通りなんですよねえ。
やっぱり、喫煙所で仕事や情報が動く職場は少なくないんですね。

> タバコの匂い大嫌い
どうもです~。
この間は、稚拙なコメントを書いてしまって、スミマセンでした(汗)。
なんか、議論の間でういてしまったようで(汗)。
私見ですけれども、受動喫煙をガマンや忍耐とするのは嫌煙者の方にとっては理不尽な話で、喫煙者は健康というリスクを負いながらタバコを吸っているという自覚はあるじゃないかと思うんです。
そのリスクを他人にまで強制的に共有させることは、エゴ以上の傲慢で……とか書きながら、ちょと自信がなくなってきました(汗)。
そんなことがわかっていれば、歩行喫煙なんかしないよなあ……(汗)。
by みみちゃん (2005-09-13 23:27) 

chibimametanku

ホントに『喫煙ミニコミ』の情報量は侮るなかれです。
以前いた部署は調整が多かったので、ヘビースモーカーの先輩を呼びにいったついでに長居(?)して、喫煙ミニコミから情報を仕入れていました。
どれだけ仕事に役立ったことか…。
by chibimametanku (2005-09-15 21:25) 

みみちゃん

chibimametanku さん、nice & コメント、ありがとうございました。
ううむ、chibimametanku さんは、価値を取りにいく実践派でしたか~。
健康と情報のトレードオフですね~。
軽い気持ちで思っていたことを書いたのですが、多くの方から反響を頂いて、正直驚いています。
やっぱり、喫煙ミニコミのチカラは、あなどれなかったんですね(汗)。
新たな発見でした、ハイ。
by みみちゃん (2005-09-15 23:20) 

StevBump

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