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★★★★★ - DVD『ダ・ヴィンチ・コード』 [ ┣ TV・映画・DVDレビュー]

え~ん、え~ん;;;。

もう、泣いちゃいます;;;。なにがって???
今日は、
『ダ・ヴィンチ・コード』
のレビューです。

※途中からネタバレしますが、まだ続きを読んでも大丈夫です。

ダ・ヴィンチ・コード デラックス・コレクターズ・エディション(2枚組)

ダ・ヴィンチ・コード デラックス・コレクターズ・エディション(2枚組)

  • 出版社/メーカー: ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
  • 発売日: 2007/11/28
  • メディア: DVD




以下はYouTubeよりトレーラー(予告編)です


正直に白状します;;;
。俺はこれまで、趣味だけじゃなく、仕事でもモノを作ってきた人間。時間と資金さえ揃えられれば、ゼロからでもある程度のものを作る自信はある。そんな俺を、
『絶対に俺では勝てない』と、
敗北感ドン底に突き落としてくれた映画が、
これまでに2本だけあった。 1本は、アガサ・クリスティの小説『オリエント急行の殺人』をもとに、シドニー・ルメットが監督し、個性派俳優アルバート・フィニーが名探偵エルキュール・ポワロを怪演した『オリエント急行殺人事件』(これは日を改めてレビューしようかな…)。 もう1本は、今日レビューする
『ダ・ヴィンチ・コード』 です。

あらかじめお断りしておくと、俺は無宗教です(強いて言えば神道が好き)。それから、古典宗教には独自の解釈を持ってます。なので、この作品を宗教的な視点からは観ていません
また、野次馬的にオカルトが好きです。そういう視点はちょっと入ってます;;;。

原作は読んだことがないんですが、映画を一言で言うと、
そこまでしなくても…!
てくらい、いい!!!

よく、『映画は映画館で観るべきだ』っていう人がいます。そういう人はきっと自分の中でそういう楽しみ方を確立しているハズで、俺は否定しないし、その見解を尊重します。

ただ、俺は絶対DVD派なんです。半年遅れでも一年遅れでもいいから、いいものは繰り返し観たい。じっくり何回も、いろんな角度から、いろんな解釈をしながら観て、いいところはしゃぶりつくしたい。悪いところは悪いところで、(自分がモノを作るときの反面教師として)悪いなりに吸収したいんですね。

『悪いなりの吸収』というのは、ん~……。
例えば、トム・クルーズ主演の『宇宙戦争』
あれは、宇宙でも戦争でもないんです。タイトルを『父娘逃走』に変えるか、あるいはタイトルをそのままにして中身をぞっくり作り直すか、どっちかしかないワケですね。コンセプトワークで失敗した例です。ああいう失敗をしてはいけない、という見本になるんですね(これも後日レビューしましょうか)

で、この『ダ・ヴィンチ・コード』
(いい意味で)やりすぎ;;;。

モノを作る側の人間からすれば、いろいろ思いついたところで、悲しいかな、先々のメシの種のために『ちょっと出し惜しみしたいな』って思うのが普通なんです。特にナゾ解き系は。

それが、この映画(原作もだろうけど)は、全部出し切っちゃった感じ。

観終わった後、振り返ってみると、話はシンプル主要登場人物も少ない。(劇中の)時間も非常に短い謎も多くないガジェットも少ないアクションも小ぢんまり

なのに、観ている最中に感じるスケール感、緊迫感、話の起伏は
とてつもなく大きい。
これは、なんなんでしょうか。
いい意味で。
なんなんだ???

どの作品か忘れましたが、名探偵ポワロも相棒のヘイスティングス大尉に『密室で二人がポーカーをやっているとき、一方が殺害される。そんな事件を、私は解決したい。』と言っていた記憶があります(『カーテン』だったかな?)。

ゴテゴテしてない、ハデハデしくない、ゴミゴミしてない、
でもおもしろい。そして、
なぜおもしろいかわからない;;;。

特にラストシーンで受けた衝撃は、ものすごいものがありました。『その手があったか……!』と。

このひとつの作品に『これだけ詰め込んじゃってもいいや』てことでこんなにやってるんでしょうが、原作のダン・ブラウンの頭の中は、どうなってるんでしょうか
ハッキリ言ってオソロシイ;;;

↓以下はネタバレ;;;
↓これから見たい人は
↓いまのうちに
↓読むのをやめてね。












ここからはネタバレコーナーです。

まだ確信はないんですが、この作品の特徴は、話の濃厚さと知的好奇心の刺激ではないかと思っています。

これに一役買っているのが、世界観の説明がいらないところです。
ラブロマンスにしてもコメディにしても、まず舞台と人物の説明がいる。SFなどが苦労する(万人受けしない)のは、たっぷり説明が必要だからです。

しかし本作は、ルーブル美術館の殺人に始まり、容疑者たるラングドン/ファーシュ警部/暗号解読官ソフィーだけで話が進む。舞台は説明不要の世界的な観光名所、登場人物は(もしこのような事件が実際にあったとしたら)当然の成り行きの面々で最小限度の構成。

だからこそ、いきなりラングドン&ソフィーのスリルある逃走劇から始めることができた。競馬で言えば出ムチですね;;;。説明が不要な分、ドラマを詰め込めるワケです。

次に、非常にわかりやすくシンプルな描写です。
ありがちと言ってもいいでしょうか。シラスの過去ソフィーとソニエールの関係ラングドンのトラウマなどを、刺激的なワンショットで説明しています。よく言えば理解しやすい、悪く言えばどこかで聞いたような話です。メインドラマを理解させるための背景描写を、尺を最低限度にとどめながら、効果的に挿入しているんですね。

それから、巧妙な構成
話の軸はソニエールが残した謎にあり、ラングドンとソフィーがこれらを解き明かすことで先に進んでいく。謎は大きく3つで、ルーブル美術館にあったアナグラム、ティービングが説明する『最後の晩餐』、そして聖杯の場所を示す地図が入ったクリプテックス

ただし、これらは登場人物が解いていく謎であって、観客に投げられた謎ではない。観客は、アナグラム解読では追手が迫るスリルを、『最後の晩餐』では『ノストラダムスの大予言』の解釈に似た大胆な仮説クリプテックスをめぐっては誰が敵か味方かわからないサスペンスとアクション見せつけられるワケです。

謎解きアドベンチャーのようで、観客に謎解きをする余地はない。実はサスペンスなんですね。

しかも、ラングドンとソフィーにはラブロマンスがない。俺から言わせてもらえば、こういう映画にはラブロマンスなんぞ不要なんです(『ターミネーター』を除く;;;)

そして最後の最後に、観客に謎を投げつける
ラストでマグダラのマリア見つかっていたら、あるいは存在しないことがハッキリしていたら、ドラマは完結していた。しかし、ここにあるんじゃね~?で終わった。

普通のフィクション映画……例えば『ゴジラ・モスラ・キングギドラ 大怪獣総攻撃』で、最後に自滅したゴジラの心臓だけが海底で鼓動していて近い将来の復活を示唆しようと、それは他人事なワケです。また、本作の中でソフィーの将来にフォーカスしたとしても、フィクションの人物ですからどうでもいいワケです。

しかし、最後にはキリスト教の根源にかかわるマグダラのマリアにフォーカスして、あるんじゃね~?で終わらせた。

しかも、あのラスト。ローズライン上。地下にあるピラミッドは、下の△は剣、上の▽は杯。頭上には満点の星空、場所はいにしえの美術品満載のルーブル美術館。

これは……やられた。
よくも考えやがったな。
(ホメてます)

境界線がすごくあいまいです。

味方と敵、善と悪の境界線。
史実と虚構、そして現実にある宗教論争の境界線。
サスペンスと知的好奇心を刺激するドラマの境界線。

こりゃあハマるわ…;;;。

ということで、我が家のお気に入りDVDに入ってますが、観るたびに俺が敗北感に襲われるので;;;、稼働率はあまり高くありません;;;。

まあ、元は取った気分だし、いいかな;;;。


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okko

遊びに来てくださって、感謝!
ウエ~ン、ウエ~ン、原作は読んだのに、忘れちまったよ~~。 やだね~、年とると・・・
出直してきます。
by okko (2008-01-26 19:34) 

みみちゃん

okkoさん、nice!&コメントありがとうございます。

映画は、原作とは微妙に違うみたいです。
あと、映像は活字と違って一方的に話が進むので、ナゾ解き要素は小説のほうが濃く、アクション要素は映画のほうが濃いのかな、と勝手に想像してます。

本文中では触れませんでしたが、役者もよかったです~。
by みみちゃん (2008-01-27 00:15) 

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