★☆☆☆☆ - DVD『えびボクサー』

たまにはちょっと変わったのもレビューしま～す。
タイトルだけ聞いたことがある人も多いと思うけど、俺はちゃんとおさえてますよ～。

今日は、イギリス映画、
『えびボクサー』
のレビューです。

俺のレビューは★☆☆☆☆です。
とにかく惜しい！
２つだけ変えれば良作になったのに！

……しかし、向いている人は、ハマる作品でしょう。
ハートフルコメディが好きで、下品なネタに耐性がある方は、一見の価値があります。

※途中からネタバレしますが、まだ続きを読んでも大丈夫です。
※もしかしたらネタバレを読んでから観たほうがいいかも……。

えびボクサー

• 出版社/メーカー: パンド
• 発売日: 2004/01/09
• メディア: DVD

おそらく、高い評価をしている方は、作品をピュアに見れて、かつハマれたのではないかと。事前に先入観がなかったり、期待する内容が間違えていない方々で、かつネタ的に耐性があるのでは。

俺はタイトルとキャッチコピーで、観る前に間違った方向に期待をしてしまった。その分、売り方も含めてレビューを厳しくしています。また俺は、スプラッタ耐性は高いけど、ゲロや小便耐性は低い。その分も評価が厳しくなっています。

ネタバレしなくても、６行で説明できます。

ゲロ（映像）と、
小便（会話）と、
下ネタ（会話）と、
セックス（映像）と、
巨大なハリボテ甲殻類
に耐ええられれば、感動できます。

まず、いいところ。
発想が独創的。役者はかなりがんばってます。キャスティングも悪くない。本も後半は悪くないです。キャラもこの騒動でみんな一皮むけるし、それで感動できる。
ギャグではなくて、ハートフルコメディです。

次に、悪いところ。
たぶん低予算でしょうが、そこは問題じゃありません。冒頭に書いたように、本の前半がかなり下品なので、最初にかなりの人が離れる or 後悔すると思います；；；。間違いなく、女の子や子供といっしょに観るには向きません。
あと、ドラマの進行がゆっくりなので、イライラする人もいるかも。

……だけど、だけどね。
たぶん、一番悪いのは、
日本での売り方。

売り文句と中身の食い違いが、ヒドイです。
これは作品じゃなく、日本で売ったヤツの責任。

↓注意！
↓以下ネタバレです。
↓これから観る人は、
↓読むのをやめてね。
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以下ネタバレです。

宣伝文句と中身の違いは、↓ こんな感じ。

『ある日、一匹のえびがチャンピオンに挑戦状を叩き付ける！』
チャンピオンいないし！
第一ボクシングしてないし！！

『史上初！えびのスポ根サクセスストーリー登場！！』
サクセスしてないし！
根性見せてないし！！

『もう、海には帰れない！』
最後海に帰るじゃん！

……もうひとつ。タイトルの、『えびボクサー』……、
『えび』じゃないぞ！
『シャコ』だぞ！！

しかも、DVDのパッケージは、ホントのえび。
劇中に出てくるマンティス・シュリンプじゃない。

日本での売り方を考えたヤツ、出て来い！
ちゃんと作品見てんのか！！

※一応、読む方の混乱を避けるため、
※以後の記述も『えび』にしておきます。

売り出す前に作品の宣伝方針を練りこんで、観客の期待度を鑑賞前に正しい方向に向けていれば、ハートフルコメディで押せたと思うんです。

だけど、（ホントはシャコだけど）えびと（劇中では試合もしてないのに）ボクシングに執着して、題名も”CRUST（＝甲羅、甲殻）”を『えびボクサー』なんて和題にしちゃったから、観る人が鑑賞前に間違えた方向に期待を持つ。

俺はその影響をモロに受けてしまった。
えびのボクサーのスポ根サクセスって聞いたときに、『ロッキー』をベースに『ホット・ショット』みたいなギャグの連発を期待したんです。
でも、期待とは違っていた……。

ただし、作品を改めてピュアな視点で見返してみても、万人受けは難しいでしょう。

気に入らない売り方を除いて純粋に作品のみを評価するとしても、俺の評価は★★☆☆☆。カミさんは観ていませんが、下品なネタが俺より苦手なカミさんには観せれません。

売り方が妥当で、下品ネタがセンスのいいエピソードに変われば、★★★☆☆や★★★★☆までいけた。絶対。

感動ポイントはいくつかあります。

主人公ビルは中年で喘息持ちの挫折した元ボクサーで、いまは店を借りてバーをなんとかやりくりしている。軟派な若手ボクサー・スティーブに自分の夢を託そうとするが、そのスティーブが煮え切らない。

そんなビルのもとに、友人の何でも屋・アルが7フィート（2.1m）の巨大なマンティス・シュリンプ（＝えびボクサー）を売り込みに来る。そのパンチ力に魅せられたビルは、このマンティス・シュリンプに夢をかける決心をする。

ちなみにそのパンチ力は強烈。ボクシングジムのトレーナーを一発でノックダウンし、アルを何ｍもふっとばし、モーテルの壁に（テレビごと）一撃で大穴をあける。

全財産をはたいて買った巨大なマンティス・シュリンプで一発当てようと、テレビ局やキャスターに売り込みをかける中でたびたび騒動を起こし、時には『えさ』を手に入れるために強盗まがいのことまでしながら、懸命にえびの世話を続けるビル。

そのビルと行動をともにしながら、えびの売り込みの失敗や恋人シャズの浮気を経験し、男として一皮むけていくスティーブの成長。

スティーブや（えびの売り込み先の）TV局関係者を相手に、したたかに立ち回りながらも、その浮気相手（TV局関係者）に捨てられ、女性として強くなるシャズの成長。

その３人にアルを加えた４人で、あの手この手を尽くして、土壇場で手作りのイベントをまとめあげ、別のTV番組企画者の目にとまり、 イロモノ番組実現へのチャンスをつかむ。

その成功へのチャンスの真っ只中、最後の最後にえびに情が移ってしまい、えびをイロモノとして残酷に扱う番組の制作を自分からブチ壊したビルの成長。

そして、終始気まぐれだったえびが、ラストで手当たり次第に人々（番組出演者）を襲いながら、最後の最後にそのビルを見分けて、そっと抱擁する。

ビルは、一旗あげるための様々なアクションの間ずっとえびの世話をしていつのまにか愛し、えびはずっと世話をしてくれたビルを愛していたのです。

ビルとえびの抱擁には、思わず涙腺が緩みます。
ビルは最後にえびを海に返します。

……話自体は悪くないでしょ？？？
しかし、そこにたどり着くまでの間口が狭い。
もったいない作品です。

ホントに、前半の本と売り方がなんとかなってれば、間違いなく良作になったのに……。

個人的には、惜しい一品でした。

コメント 5

この映画を買った人をテレビで話をしていたのを見ました。
すごい人でしたよ。売る奴もすごかったけど。
記憶はいい加減だけど、３億円て言われて、断ったら、３００万円でいいからでOKだったかな。
ロードショーの時にザリガニ釣りを企画したら、１００匹ぐらいだったら、業者から無料でもらってしまった。
題名で勘違いして、いい映画を購入してしまい大ヒット。
「俺らしくない(笑)」と言う人でしたね。

番組を見て、大爆笑でしたけど、「エビボクサー」は見ていませんでした。(笑)
by あまちゃん (2008-02-03 01:08) 

コメント書きたくてもかけないよ～～～。
全然、未知の世界なんですもん！
by okko (2008-02-03 19:35) 

あまちゃん、コメントありがとうございました。

なにゅっ！？
この映画が300万となっ！？
なんと安い……サラリーマンでも即金で買い付けできるじゃないか；；；。

でも、もう日本の販社の名前はインプットしました。これからこの販社の映画には気をつけます；；；。

しかし、イギリスのコメディ映画って、なんか肌に合わないんだよなあ。『Mr.ビーン』にしてもそうだし。

ちなみに『えびボクサー』のDVDは、どこで探してもやたら値段が高いです。数が少ないのか人気が高いのかはわかりませんが……。
by みみちゃん (2008-02-03 21:07) 

okkoさん、コメントありがとうございました。

すいません……今回はマイナーな映画（DVD）のレビュー記事でした；；；。ご存じない方にはまったく意味のわからない記事でしたね；；；。

映画はけっこう好きなので、今回の闘病にかこつけて、昔のお気に入りを見返したり、観たかったのを仕入れたりして、ほぼ毎日DVDを観ています。

CSでも映画をやってくれるので、逆に退屈するヒマがないくらいですｗ。
by みみちゃん (2008-02-03 21:19) 

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by RebSnurdy (2019-07-16 17:01)