★★★★★ - DVD『プレデター』 [ ┣ TV・映画・DVDレビュー]
もう『AVP エイリアンVS.プレデター』もレビューしちゃったし、
劇場では『AVP2 エイリアンズVS.プレデター』も公開されて、
いまさら感があるんですが…。
今日は、観てない方にも向けて、
『プレデター』
をレビューします。俺的には★★★★★!
低予算だろうがなんだろうが、
知恵と引き出しと情熱があれば、
いい作品ができるんだよ、という見本のような傑作です。
シュワルツェネッガーはこういう映画に縁がありますねw。
え? なぜ『プレデター2』といっしょにレビューしないかって?
それは、『プレデター2』は駄作だと思っているからです;;;。
いずれ『プレデター2』のレビューもやりますね。
あ、それから、『プレデターX』という邦題の映画もありますが、これ、
プレデター出ないんで;;;。
原題にはプレデターの名前はないし、モンスターも違うし、
日本で売るときに勝手にプレデターの名前を付けただけです。
ひっかからないでくださいねw。
※途中からネタバレしますが、まだ続きを読んでも大丈夫です。
以下はYouTubeよりトレーラー(予告編)です ↓ 。
以下はあらすじです ↓ 。
ダッチ少佐(アーノルド・シュワルツェネッガー)率いるアメリカ軍特殊救出部隊は、南国のゲリラ戦地帯で某国大臣を乗せて墜落した米軍ヘリコプターの救出のため、現地へ向かった。
この作戦にダッチを推薦したのは、以前ベトナム戦争で戦友だったCIAのディロン。ダッチのウデを信頼してのことだった。
救出部隊はディロンを指揮官として早速現場に向かうが、彼らが発見したのは、射殺されたパイロットの遺体が残った『偵察用』ヘリコプター1機と、皮膚がはがされ樹木につるされたグリーンベレーの3人の遺体。
精鋭部隊のグリーンベレーまで派遣され、虐殺されている事態に、強い疑念を持ったダッチだが、ディロンはあくまで知らないことだという。
周囲に見つかった足跡を追跡してゲリラのアジトを発見したダッチたちは、ゲリラを強襲して一掃し、女性ゲリラ・アンナを捕虜とする。
(ここでディロンとひと悶着あるんだけど)
任務を遂行した彼らは、帰還地点に向かって移動するが、反抗的な態度を取っていたアンナが隙をついて逃走。
アンナを追った隊員の一人ホーキンスは、彼女を捉えた直後、『森』に襲われ、内臓だけを残して姿を消してしまった。
部隊は散開し、ホーキンスの遺体を探すが、やがてひとりずつ、見えない敵に狩られていく……。
主要キャストが10人足らずしかいないうえに、舞台はずっと南国のジャングルの中。それなのに、この展開の変化はスゴイ。
作品全体は大きく3つの展開があるんですが、メリハリが抜群です。
低予算なのにフルコースな気分。
キャラクターも個性的でいいです。配役も良かった。
兵士としては強いけど一般人視点のポンチョ、サムい下ネタが大好きなメガネのホーキンス、(たぶん)ネイティヴ・アメリカンで自然や気配に敏感なビリー、典型的なアメリカ野郎のブレーン、一見冷たいけど人情に厚いマック。
ひとりひとりがちゃんと生きている感じがする。
この映画は、一般の方にはもちろん、特に自分でお話を作る人には、ぜひ観て参考にしてもらいたい作品です。
グロ耐性は必要ですけど;;;。
↓注意!
↓以下ネタバレです。
↓これから観る人は、
↓読むのをやめてね。
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以下ネタバレです。
この作品は、アイデアと知識と脚本の勝利ですね。
まず、アイデア。
これまでに、こういうタイプの知的生命体を生み出した作品はなかった。
高度な文明を持っていながら、ひたすら獲物を求めて狩りを行い、獲物の品定めでやりがいがあると感じたら、火器を捨てて肉弾戦ですからね;;;。
本編のプレデターは、『暑い時にやってくる』という設定でした。続編『プレデター2』でもこの設定は活きています。これは『AVP(エイリアンVS.プレデター)』では捨てられた(=『AVP』を見るときに割り切らなきゃいけない)設定です。『AVP』で舞台となった南極は、当然暑くないですから。
しかし、こういう活動形態を持っている生物となると、おそらく繁殖力が高くなければ種の維持が難しいでしょうから、繁殖方法の想像が楽しいです。
以前の俺のblogの記事でも、『オスは種を保つための使い捨ての性別である』/『その中でも優秀な遺伝子を持つオスが次世代の種を強くする』/『そのために弱いオスは淘汰される』と書きましたが、プレデターがその考え方を突き詰めた存在なのかな。
だけど、今後シリーズが続くとしても、繁殖方法は出さないでほしいな。もしメスのプレデターがいるとしても、出さないでほしい。そこは想像を楽しむ余地を残しておいてください。
加えて言えば、宣伝戦略も思い切ったことをやりました。おそらく、映画館に足を運ぶまで、『プラトーン』のような戦争映画だと思っていた人が少なくないでしょう。
異星人が出てくるSFパニックアクションという売り方をしなかった。
日本の売り方に関しては、よくマズイ点が目立つ映画のほうが多いんですが、これは作品内容が良かっただけに、逆にいいほうに働きました。
こういう『いい』裏切り方なら、大歓迎!
次に、知識と観せ方。
この作品は、脚本のライターにゲリラ戦術の知識がなければ、中身のうすっぺらい作品になっていました。そして、その観せ方も効果的でした。
作品中に出てくるひとつひとつのミリタリー的な要素に関する、くどい説明はありませんでしたが、これは正解だったと思います。
それらは主題とは関係なく、救出部隊やダッチの兵隊としての強さを強調するために使われた『手法』ですから、それでいいんです。さりげなく散りばめてあれば。
だけど、緊迫感の維持や、場面展開のアクセントになっていました。
例えば、ブレーンがゲリラの罠に引っ掛かりそうになった場面や、ダッチのすぐ横で透明のままのプレデターが罠にかかった場面、ダッチVS.プレデターの一騎打ちに使ったトラップや武器の数々。
これはメリハリをつけるのにとても重要でした。
最後に、脚本。
この話は、大きな展開の変化を持っています。
まず、大勢の武装ゲリラを相手に、ダッチ少佐率いる特殊救出部隊の圧倒的な強さを見せつける。
次に、その特殊部隊のメンバーがいとも簡単に狩られていく場面で、プレデターの強さを見せつける。
最後の最後で、ダッチとプレデターの一対一のガチ肉弾戦。
この流れはたまらなくワクワクしましたね。
『これからどうなるの?』『この話どう畳むの?』というところが。
予想がつかなかったし、エピソードも楽しかった。
ワクワク、ドキドキがずっと続く傑作でした!
……なのに……続編があんなになっちゃうなんて……。
なるほど、この映画は低予算だったんでしょう。ジャングルしか出てきませんから。
何が攻撃してくるのか、わからない恐怖感はよかったですね。個人的にはグロ耐性はあまりないので、前半は我慢でしたけど。
『プレデター2』ではネタバレから始まっていますから、難しかったのでは。
by あまちゃん (2008-02-12 23:36)
あまちゃん、コメントありがとうございます。
グロ耐性がないと、この映画(&続編)はツライでしょうね;;;。
すべては最後のガチンコ勝負につながる伏線なわけですが、その観せ方が見事だったですねぇ。
シュワルツェネッガーは、『プレデター2』の出演を、脚本段階で断ったとか;;;。
どういう役で話を持っていかれたのか知りませんが、個人的には断って正解だったと思います;;;。
by みみちゃん (2008-02-13 03:14)