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★☆☆☆☆ - DVD『ロード・オブ・ザ・リング』三部作 [ ┣ TV・映画・DVDレビュー]

あ゛~。今日は、
『ロード・オブ・ザ・リング』三部作
のレビューです。
※先に言っとく! ファンの人、ごめんなさい!

つか、ひとこと言わせて。長いよ;;;。
俺のレビューは★☆☆☆☆。
なんでこんなに疲れるの? この映画;;;。

ええと……、
特撮好きファンタジー好きなら向く作品でしょう。
両方ヒットする人なら一層楽しめるハズ。

……俺の主観で言わせてもらうと、
ちょっと大人には退屈な映画じゃないかな。
我慢強い人なら鑑賞に耐えられる映画かな;;;。

※途中からネタバレしますが、まだ続きを読んでも大丈夫です。

ロード・オブ・ザ・リング ― コレクターズ・エディション

ロード・オブ・ザ・リング ― コレクターズ・エディション

  • 出版社/メーカー: ポニーキャニオン
  • 発売日: 2002/10/02
  • メディア: DVD


ロード・オブ・ザ・リング 二つの塔 コレクターズ・エディション

ロード・オブ・ザ・リング 二つの塔 コレクターズ・エディション

  • 出版社/メーカー: ポニーキャニオン
  • 発売日: 2003/10/01
  • メディア: DVD


ロード・オブ・ザ・リング 王の帰還 コレクターズ・エディション

ロード・オブ・ザ・リング 王の帰還 コレクターズ・エディション

  • 出版社/メーカー: ポニーキャニオン
  • 発売日: 2004/08/04
  • メディア: DVD


以下はあらすじです ↓ 。
もらった指輪を捨てに行く。
今回はこれでカンベンして;;;。

三部作各々の感想は、
1作め:★☆☆☆☆(映像)
2作め:★☆☆☆☆(映像)
3作め:★★☆☆☆(映像+サム)
ていう感じ。

まず、脚本
キャラクターはしっかりしてたし、よかったと思います。
( ↑ ただし旅の仲間の9人だけね)

だけど、肝心のエピソードがダメです。もう、観客もほとんど結末は読めてるワケです。原作もあるし。だから、読めてる結末に至る過程で、観る者の予想をいいほうに裏切ってほしい。だけど、俗物的なファンタジーにありがちなご都合主義の連発になってしまった。

しかも、あちこちに話を分散させたもんだから、そのバランス取りに四苦八苦してる。俺が強い疲労感を覚えたのは多分そのためです。全部のシナリオをザッピングでヘンなテンポで観せられるから、観る側の切り替えがついていけない

それから、映像
CG特撮はよかった。メイクアートワークもいい。

だけど、アクションがよくない。いくら世界観の制限でやりように限界があるからって、もうちょっと工夫してほしかった

それと、カメラワークもモノ足りない。スケール感を出したいんだかなんだか知らないけど、ロングショットばっかりじゃこっちも飽きるよ。こっちは別に、風景とか兵隊の陣形を観たいわけじゃないんだから。冒険を観たいんだから

あと、ディレクション
ディレクションに文句付けるのは滅多にないことだけど、この作品のディレクター(=監督)は、この作品で、何を観てほしかったのか、まったくわからない

この話は、半分の時間でまとめられるよ。まるでラッシュ(未編集フィルム)を観せられてるみたい。これだけの金と時間を使わせて、ちょっとプロデューサーと観客をなめてるんじゃないのか。


もともと話のスタート時点で、俺の理解では穴だらけの設定でした。
フロドが冒険に行く理由も納得できなかったし、ご都合主義の連発になるだろうことも予想できたんです。

しかし、予想外だったのは、疲労感
退屈は覚悟してたけど、ここまで疲れる作品だとは思わなかった。

↓注意!
↓以下ネタバレです。
↓これから観る人は、
↓読むのをやめてね。

















以下ネタバレです。

主人公サムでいいじゃん。
だって、一番共感できたのサムだったよ。

フロドに感情移入したくても、できないよ。中途半端に特別扱いされてかわいそうだとは思うけど、それ以上の感情は湧かなかった

ま、それはいいとして、悪いところのおさらい。

まず、魔法の限界が見えない
ガンダルフもサルマンも魔法使いだけど、魔法というものがどういうもので、どこまでができて、なにができないのか。それがハッキリしないから、魔法に関するご都合主義がまかり通る。

ガンダルフの生存や立ち回りの強さも、そう。
サルマンの妨害や、あっさりしすぎな最期も、そう。
いいほうにも悪いほうにも、ご都合主義

もっと言わせてもらえば、ガンダルフはアイゼンガルドのサルマンの塔からエルフの裂け谷まで、魔法で出した鷹で飛んで来たんでしょ。
なんでその逆をフロドにやってあげないのよ
裂け谷からモルドールにぴゅーっと飛ばしてやりゃいいじゃん。
あんな危険な冒険なんて、最初から必要ないんだよ。

引き合いに出すのもなんだけど、ガンダムのシャアはやってたよ。
『スレンダーは脱出した。なら、その逆も可能ではないかな?』
って、ノーマルスーツでサイド7に突入した。

先日も『魔術の合理的解釈』という記事の最後で書きました。フィクションならそれでもいいから、せめてしっかりした理論体系を作れ、と。そうでないと、脚本が疑問だらけで陳腐なものになる、と。この作品はその悪いほうの見本だ(いいほうの見本『Landreaall』ね、マンガだけど)。

それから、エルフの設定
これがメチャクチャ。なんだよ不老不死って。じゃ、みんな生まれたときの状態じゃないか。不老なら、全員赤ちゃんじゃんか。エルフの個体によって年齢差があること自体がおかしい

これを精一杯良心的に解釈すれば、エルフも実は昔は年を取る種族だったけど、ある日突然全員が不老不死になったという考え方ができる。それが3つの指輪の効果かもしれないけど。

ただし、そうなると社会構造の変化が起こる。エルフは死なない種族ということになり、食物や薬をはじめとする生活品が不要になって、エルフの社会は大きく変わる。ついでに言えば、エルフは増えないことになり、セックスライフが大きく変わってくるハズです。

それを除いて考えるとしても、エルフが不死なら、エルフの包囲陣でフロドを囲んでモルドールに突っ込みゃいいでしょ。エルフ軍団は完璧な防御壁になるよ。それで安泰でしょ。

さらにそれを除くとしても、聖地の設定がある。前述の魔法の限界の問題と絡んでくる。エルフの聖地がオークやナズグルを寄せ付けないなら、魔法でエルフの聖地ごとモルドールの火口に移動すればいいじゃん。危険な冒険なんか必要ない。

もっと言えば、フロドの代わりにガラドリエル(ロスロリアンの森にいたエルフの王女)が行けばいい。彼女は指輪の試練に勝ったのだから、指輪を捨てに行く役目は、”頑丈”なホビットのフロドより、 ”不老不死”のエルフのガラドリエルのほうが適任だ。

さらに言わせてもらえば、もともとこの元凶はエルロンド卿にある。3000年前にイシルドゥアを切り捨ててでも力の指輪を葬っておけば、こんなことにはならなかった。彼には秘密会議でえらそうに説教できる資格はない。

これは、エルロンド卿が無責任とかいう次元の問題じゃない
設定の整合とキャラクターの個性の一貫性の問題だ。
作品の完成度の欠陥だ。

あと、世界観とエピソードについて。
異世界なんでしょ? 人間型の生物同士が普通にガチンコやったって楽しくないでしょ。それが観たいのなら『キル・ビル』の青葉屋の決闘観るよ。

モリア坑道の入口のタコみたいなのとか、モルドールのクモなんか、よくできてたじゃん。ああいうのをもっとやればよかったのに。

それからさ、後出しジャンケンやめてよ死者の道の死者とかさ。せめて前作からフリを入れといてよ。くだらない未編集みたいなカットたれ流すくらいなら、わかるように後の話の前フリ入れとけよ

あと、ボロミアが言ってたモルドールの毒も華麗にスルーだったね。あれ、楽しみにしてたんだぞ。息をするたびに毒が身体を蝕む中を、 フロドたちがどう乗り切るのか。
拾えない伏線なら、もとから入れないでよ。

最後に、肝心なこと
主人公を成長させてシメろよ!

フロドは、ビルボのそばで、ずっと冒険に憧れてた。

ずっと冒険したがってて、やっとその冒険に出られて、でも思ったのと違ってて、助けてくれた人もいて、誘惑に負けて襲ってきた人もいて、猜疑心にさいなまれて、ひとりで苦しむ日々が続いて、最後の最後に指輪の誘惑に負けそうになって、だけどなんとかやり遂げて、使命を果たして、世界を救った。

そして……、

『じゃあ、僕、海を渡るから』って、オイ!
それだけかよ!

最後にサムは、ずっと自分の気持ちを告げられなかった女の子にプロポーズして、結婚して、平和な家庭を作る。

だから、この話はサムが主人公になっちゃうんだよ。
主人公はフロドだろ? ヘタクソなシメ方しやがって。


もういいや。
金返せとは言わない。
俺の9時間を返せ!


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okko

なんだか、ジェンジェン分からないよ~!
大体、この映画のタイトルね、指輪が歩んでいく道ですよね、直訳すれば。その指輪にまつわるさまざまな事件や状況が発生するわけですね。 最初、Road to the ringかと思って、みんなで指輪を探しにいくお話かと思ったけど、じゃないわけだ。
これだけ深く分析されれば、DVDも満足でしょう。
by okko (2008-02-13 15:27) 

みみちゃん

okkoさん、nice!&コメントありがとうございます。
わからない上でコメントを頂いて恐縮です;;;。

悪いやつが復活できちゃう指輪を主人公が受け継いだんだけど、その壊し方がひとつしかなくて、その唯一捨てられる場所に指輪を持って行って壊す…という話です。

そこまで言って頂けると、ウチに転がってるパッケージも報われるかなぁ;;;。
by みみちゃん (2008-02-13 18:09) 

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